核融合科学研究所オープンキャンパス
こんにちは。修士1年の中村です。
私事ではありますが、1つ話をさせていただきます。
というのも先日、岐阜県土岐市にある核融合科学研究所のオープンキャンパスに行き、
大型ヘリカル装置(LHD)見学ツアーや公開講座に参加させていただきました。
今回はそのレポートです。
まず核融合とは、原子核同士が融合して別の種類の原子核になる反応のことです。
たとえば水素同士が結合すると最終的にヘリウムになりますが、
その際非常に大きなエネルギーが生まれます。
原子力発電所で用いられる核分裂とは異なり、連鎖反応を起こさないため安全性に優れる反面、
核融合反応を起こすための高温・高圧・高密度が必要です。
そして核融合科学研究所では核融合発電の実現に向けた研究を行っています。
その中身は、LHDの炉周辺にある2本のらせん状のコイルによって磁力線の“かご”を作り、
内部に高密度のプラズマを閉じ込めて反応させる実験研究と、
スーパーコンピュータの中に核融合プラズマを再現し、
その複雑な挙動を調べる理論研究を行っています。
LHDの見学ツアーでは本装置はもちろん、真空装置や水素導入装置に関する説明もあり、
また以前の研究施設で実際に試験された核融合炉の一部の展示もありまして、
とても好奇心が尽きない内容でした。
一方、核融合炉の材料について、以前は炭素でしたが現在はタングステンが使用されており、
まだこの金属に関するデータの蓄積がなされていない点と、
今後の超高温になる際にはタングステンが溶けてしまう点など、課題が多数あるようでした。
公開講座では岡村昇一先生による「私たちの周りの元素と核融合の話」が行われました。
宇宙のビッグバンからなる元素の誕生から話は始まり、核融合との類似点を述べた上で
なぜ高温・高圧・高密度が必要なのか? なぜ2本のらせん状のコイルが必要なのか?
という疑問についての説明をつぶさにされていました。
核融合で生み出したエネルギーは、火力発電所などのように蒸気でタービンを回して発電します。
なので、老朽化した発電所を転用して核融合炉を建設し、
30年以内には第一号機の運用を目標にしているそうです。
将来のエネルギー事情を鑑みて、断続的に関心を払っていこうと思いました。
2週間以内を目処に更新します。さようなら。