一触にして良媒 HELLO GOODBYE

名古屋工業大学 先進セラミックス研究センター 環境材料研究グループのブログ

パラフィルム

こんにちは。学部4年の中村です。

2013年の締めということで、拙筆ではありますが1つ話をさせていただきます。

 

 

セラ研の当研究室に配属になって半年以上が経過しました。

その間に「研究する人は何を考えているのだろう?」ということを考えました。

 

私は初め、特に交流の無いセラ研にぽつりと来ました。

研究について、誰とも話し合ったことがありませんでした。

でも、他の人の研究を聞いたり、私自身の研究を進めたりしてゆくうちに、

「周りの人はなぜ研究をするのだろう?」という疑問が大きくなりました。

 

アンケートを取ったわけではないですが、

話で聞いたり、私が思いついたりした動機を挙げてみますと、

「触媒に興味があるから」というのが最大の理由のようです。

19世紀から研究が始まった触媒ですが、理論としてまだ不完全で、

その未知の領域に踏み込むというのはなかなか味わえない体験です。

 

また、化学や材料のことを学びたい、というのも大きな要素のようです。

当研究室では生命物質工学科と環境材料工学科の2つのコースから配属を受け付けています。

例えば鉄が酸化する場合、その化学反応はあくまで鉄の表面から反応が始まります。

酸素の受け取りは主に表面で起こるからです。そして鉄の内部が徐々に錆びてゆく、

という道のりです。そこで主として、

表面に注目するのは化学的手法、内部に注目するのは材料的手法といいます。

 

例え話が長くなりましたが、「化学や材料のことを学びたい」というのは、

「今までは物質の表面について学んできたが、これからは物質の内側を知りたい」

などの方向転換を希望して当研究室に来るということです。

 

さらに、当研究室では「自動車の排ガスを浄化する触媒」というのが研究テーマの1つであり、

「自動車やバイクが好きで、触媒といっしょに自動車やバイクの仕組みについても学びたい」

という心持で研究に取り組んでいる人もいるようです。

 

その他まだまだあります。

時間の決まり(コアタイム)を設けておらず自分のペースで研究できるから。

大学のメインキャンパスは愛知県名古屋市にありますが、

セラ研は岐阜県多治見市にあり、

そこは自宅から近いから、または敢えて遠くに行きたいから。

多治見市は焼き物の町でもあり、焼き物の話も聞けるから。などなど。

 

研究を嫌々に行うよりは積極的な意志でもって行う方がいいとは思いますが、

持てる意志というのはそれほど多くはありません。

ときには気が進まないこともあります。

目の前の人の意気込みが分からないこともあります。でもそんなときに、

研究するたくさんの動機を持っていれば苦しいことも乗り越えられるでしょうし、

なにより研究や、研究する人のことをもっと深く理解できると思います。

 

私は、私の見たことや聞いたことしか知りませんが、時間の違う、場所も違う、

することも違う誰かと、心から通じたいと願っています。

 

 

年が明けたら更新します。さようなら。