一触にして良媒 HELLO GOODBYE

名古屋工業大学 先進セラミックス研究センター 環境材料研究グループのブログ

なぞの転校生

こんにちは。学部4年の中村です。

私事でありますが、1つ話をさせていただきます。

 

というのも、テレビ東京『ドラマ24』で放送中の『なぞの転校生』を見ています。

以前はNHK少年ドラマシリーズとしてこの作品が放送されたそうですね。

40年近い時間を経て再びドラマ化しました。

 

私と『なぞの転校生』の出会いは、ドラマの放送が始まる少し前、去年でした。

とあるきっかけでユートピア小説に興味を持ち、眉村卓氏の原作小説を読みました。

ユートピア小説とは理想とされる社会において、ある出来事が起こるような物語です。

その中で例えば、社会主義・人工授精・ヒューマノイドなど、

各時代の最先端の思想・科学技術・アイデアがテーマとして取り上げられてきました。

 

そして『なぞの転校生』は、別の世界から来た転校生が、その凄惨さを語るという内容で、

端的にいうと科学技術の進歩による功罪をテーマに扱っています。

読み通して、「分かりやすく描かれているけれど、目新しさはない」というのが率直な感想でした。

科学技術の負の面については、読むまでもなく十分に理解していましたし、

あくまで警鐘を鳴らす程度で、「どう科学と向き合うのか?」という点は不透明な雰囲気でした。

 

現時点で放送が3話も残っており、結末は分からないのですが、

「科学の発展は間違っていた」などの流れは望ましくないと思います。

それは1番シンプルな解決方法ですが、あまりにも安直すぎます。

明日から科学技術を使うな、といわれても難しいですし、そんな規則を維持してゆくのは不可能です。

「ならばどうするか?」という問いに対して私はもちろん、多くの人たちが答えを持っていないですが、

そういう永遠の課題を思い起こさせてくれるからこそ、『なぞの転校生』には深みがあるのでしょう。

 

もちろん、『なぞの転校生』は虚構の物語ですが、そう思わせないほどの各俳優の演技、

そしてカメラの構え方が、登場人物たちとの距離をとても近いものにしている気がします。

誰もが完全ではなくて、しかしそれでも自分なりの考えを持ってストーリーが進んでいます。

やがて最終回はやって来るでしょうが、その際にはドラマとしての面白さとは別に、

これからの社会にとって大切な考え方が含まれているのではないかと、そう期待しています。

 

 

1週間以内を目処に更新します。さようなら。