一触にして良媒 HELLO GOODBYE

名古屋工業大学 先進セラミックス研究センター 環境材料研究グループのブログ

環境調和セラミックス材料研究会2014

こんにちは。学部4年の中村です。

先日セラ研にて環境調和セラミックス材料研究会が開かれ、聞きました。

今回はそのレポートになります。

 

最初に岐阜大学の近江靖則准教授の講演「多孔体の合成および物性の制御」を聞きました。

多孔体の説明から始まり、その中でもゼオライトと呼ばれる多孔体は、

利用価値が高いものの人工合成については詳しく分かっていないとのことでした。

そこで層状化合物をナノレベルで積み重ねることでゼオライトの作製を試み、

バイオマスの分離や多孔質材料のさらなる設計に取り組んでいるとのことでした。

基礎から応用まで1つひとつ解説され、非常に勉強になる時間でした。

 

なお近江准教授は、層状化合物とゼオライトの類似性をレゴブロックで例えられていました。

例えというのは分かりやすい反面、実際の現象とは違いがあり誤解も与えやすいものですが、

レゴブロックの3次元的な説明はスッと理解できました。

 

次に産業技術総合研究所の藤谷忠博博士の講演

「金表面上でのCO酸化反応に関する表面化学的アプローチ」を聞きました。

金のナノ触媒を作り、その金のサイズによって触媒の作用が異なるということ、

一酸化炭素を流した際における金触媒の動向によってその性能を確かめたこと、

そして金のサイズを小さくしてゆけば、これまでに無い触媒反応が可能であることなど、

とても興味深い内容でした。

 

また藤谷博士は分析装置について説明されました。それには

1. XPS(触媒の原子状態を調べる装置)

2. 圧力調節器

3. 温度調節器

4. IR(触媒の表面状態を調べる装置)

5. ガス導入管

6. MS(触媒によって発生したガスの成分を調べる装置)

が取り付けられており、その装置を組み立てる技術に驚嘆しました。

おそらく実験の準備段階で相当の苦労があるのでしょう。想像を刺激する話でした。

 

2週間以内を目途に更新します。さようなら。