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名古屋工業大学 先進セラミックス研究センター 環境材料研究グループのブログ

第48回東海若手セラミスト懇親会2014年夏期セミナー

こんにちは。修士1年の中村です。

 

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先日、三重県湯の山温泉希望荘にて
第48回東海若手セラミスト懇親会2014年夏期セミナーが開かれ、行ってきました。
今回はそのレポートです。

 

当セミナーは通称「若セラ」といいまして、東海地区の若手セラミックス研究者・技術者が
共に学び交流する機会として、毎年夏期セミナーと秋期講演会を開催しているものです。
毎回会場が変わりまして、今回は景色と温泉が魅力的な旅館でした。

 

セミナーでは蛍光体や金属/セラミックスのハイブリット材料、誘電体材料や海外研究について
講演が行われたのですが、その中でも1つ、私の印象に残った発表を取り上げてみますと、
サレジオ高専の黒木先生による「結晶構造に水を含んだ蛍光体」という発表です。

 

今回発表された蛍光体は水熱合成という、高温・高圧の水蒸気によって材料を作製する
方法でもって“紫外発光材料”の合成を試みたところ、偶然にも新しく発見されたものでした。
通常の蛍光体は水を含んでいないにもかかわらず、今回の材料は水を含んでおり、
また水を含んでいることが発光強度を増加させるという、とても興味深い材料でした。
より発光を強める元素割合を調べる、発光のメカニズムの検討、
さらには発光させながら熱を加えて蛍光体から水を抜いてゆき、
発光の減衰具合を分析するといった、様々な実験方法は勉強になりました。
蛍光体は水が周りにある環境でより効果を発揮するので、
水蒸気センサーなどのデバイスに応用できる可能性があるそうです。

 

また、当セミナーでは企業・学生によるテーブルディスカッションも行われ、
誘電体や電極材料、粉末解析や多孔質材料など、多様な研究が報告されました。
発表者はセラミックスを共通して扱っていますが、実際の研究分野は枝分かれしています。
しかしその壁を乗り越え、参加者同士で熱心な議論をしているのが印象に残りました。

 

そして同セミナーにて私はベスト質問賞を受賞しました。とても嬉しいです。
このような賞を頂くことができたのも、
羽田先生をはじめ多くの方々とのディスカッションのおかげです。
今回の受賞を成長の糧としまして、
より優れた質問ができるよう今後も積極的に議論してゆきます。
ありがとうございました。

 


2週間以内を目処に更新します。さようなら。